砂のニッポン全国萌えおこし行脚 第一回「ひなビタ♪」

今回は初の寄稿記事!

熱い萌えおこし調査レポをお届けや!

おたくは外に出た方がいい

はじめに

こんにちは。と申します。
普段は社会人として労働労働…たまにTシャツ制作とかをしています。
普通のおたくですが今回ご縁があって萌研にて寄稿をさせていただけることになりました。何卒よろしくGOGO

突然ですが皆さん萌えおこしというものをご存知でしょうか?

それはご当地萌えキャラをメインに地域と結びついた地方創生コンテンツとその活動のことを指します。ご当地萌えキャラはゆるキャラブーム以後、2010年代を中心に多く誕生しています。一時はゆるキャラを凌ぐ人気を誇り、企業の広報活動を目的とした萌えキャラが生まれたり、グッズの企画やメディア展開などもされたりしてきました。今ではそのムーブメントも落ち着き、当時生まれたご当地萌えキャラというのは、忘れ去られようとしているのが現状であると認識しています。自分はそんな”萌えおこし“を愛し、日々情報収集と巡礼を行っています

また自分は萌えおこしとしてはやや広義の意味合いにはなりますがアニメーション発の地元密着型コンテンツについても着目しています。例えば『ラブライブ!』や『 Wake, Up Girls!』、近年では『前橋ウィッチーズ』などがこれにあたります。先のご当地萌えキャラを含めたこれらの題材となる土地は、一般的な作品の背景としての聖地というよりも、その場所の文化や歴史とがコンテンツと強く結びつき、その土地でしかできないストーリー、その土地だからこそ生まれたキャラクター性を与えています。それが地方創生、新たな地方巡礼のカタチを生んでいるのです

初回コンテンツは……ひなビタ♪

公式サイトより

ひなビタ♪ は楽曲を中心に展開されているマルチメディアコンテンツで、株式会社コナミデジタルエンタテインメント所属の 作曲家・TOMOSUKE氏 企画のコンテンツです。

Facebook上でのキャラクターのやり取りでストーリーが展開され、楽曲の作曲背景について深掘りが行われるというのがひなビタ♪ の主軸。(TOMOSUKE氏本人がすべて書いていたようです…!)

メインキャラクターが組むガールズバンド ”日向美ビタースイーツ♪” が生まれ故郷の日向美商店街を盛り上げるべく活動していくというストーリーです。Facebookの投稿内容は現実世界とリンクし、あたかも彼女たちが三次元世界に存在しているように表現される当時としては特異なコンテンツであったとTOMOSUKE氏本人も語っています。詳しい内容については公式サイトが複数あるのでそちらを要チェキ。

『ひなビタ♪』公式サイト① https://www.konami.com/games/hinabita

公式サイト② https://p.eagate.573.jp/game/bemani/hinabita/p/bittersweets/index.html

コナミ系列(jubeatやSOUND VOLTEX)の音ゲーなどに楽曲が多く収録されていたので、界隈の人は馴染みあるかもしれません。以下の曲は音ゲーをしていなくとも、知っているオタクは多いのでは?

楽曲メインのコンテンツというだけあって、日向美ビタースイーツ♪ や対になるアイドルユニット ここなつ 、関連コンテンツのバンめし♪に至るまで楽曲はどれも素晴らしい!作曲陣には企画のTOMOSUKE氏のほか、あさき氏、ササキトモコ氏、elements garden氏、IOSYS氏など。いや豪華!

自分は、楽曲用語解説コーナーがお気に入り。いにしえのオタクはここでコードワークやモードスケールについて学んだのか…中高生になんてこと語らせているんだ。

旧公式サイト「アノネ!」

自分というとコンテンツが一番盛り上がっていた12年~16年当時、音ゲーは全く通っておらず楽曲のみ認知していました。放課後のジャスコって怖いヤンキーいっぱいいたんだもん。

楽曲の中でも ここなつ の楽曲が好きでした。ひなビタ♪ コンテンツはキャラごとに音楽ジャンルが割り当てられているのですが、ここなつ はエレクトロニカ(ほぼPer◯ume)やfuture bassをメインとするユニット。そのニュアンスからは外れるんですけど、sex pistolsが元ネタの アナーキーインザ夕景 はマジで今でもカッコいい。ロキノン万歳。ぬゆりさんありがとう。

また20年にここなつがバンめし♪ にてカムバックしリリースした星座モチーフのコンセプトアルバム ホシノメモリー は後世に遺したい名盤中の名盤。SOUND VOLTEX時代の流れを汲み現代のインターネット作曲者で固めた曲たちはどれもどれも粒ぞろいで最高なので是非に!

ひなビタ♪ は前項で語った萌えおこしにおける後者、企業ベースのコンテンツにはなりますが、かなり早い段階から地域性のある展開をしており、ストーリー中や楽曲の歌詞中でも萌えおこしというワードが頻出します。(というより萌えおこしというワードの一般化はここからなのでは?)

その舞台 日向美商店街 のある 倉野川市 は、現実の鳥取県 倉吉市がモチーフとされています。倉吉市では2016年より倉野川市と架空の都市としては全国初となる姉妹都市提携を結び、同コンテンツとコラボした活動を現在まで継続して行なっています。ソレってどういうこと?どうやら現実世界の倉吉が作品とリンクしたPR活動を行っておりこれがすごいらしく…

自分は音ゲーオタクからそんな倉吉市の実情を聞きつけ、今回実際に倉吉市へ行ってきたので、ひなビタ♪による萌えおこしを調査していきまーす。

⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーン

ひなビタ♪ の息吹を感じる町 倉吉に到着

国道9号をぶっ飛ばしお昼すぎに到着! あー腹減った… まずは腹ごしらえ。おれは中華が好きなので町中華をGooglemapで探してレッツゴー。中華っていつどんなバイブスでも美味しくて最高だよね。

新来軒
お座りパネルいいね

ウオーッ! いきなりパネル! うれしいぜ。
こちらは ここなつ の 東雲夏陽、東雲心菜。 ふたりは作中にて中華料理屋でバイトしていたことからここにキャスティングってことね~。

壁がない

店内もキャストのサインや、ファンのイラストなどが所せましと飾られていてこんな空間でメシ食えるの最高だぜ。ここはファンのたまり場になっていて、キャラクターの聖誕祭には誕生日ケーキが出てくるらしいです↓女将さんすげー懐が深いな。

ひなビタ♪非公式wikiより

まずは観光協会へ…

この後は 倉吉白壁土蔵群観光協会 へ。
巡礼マップなどを受け取る。初めに観光協会凸は萌おこし巡礼の基本ねこれ。

ここでは作中舞台である倉野川の住民票が発行できます。この時は 和泉一舞生誕祭 で期間限定デザイン!プリンターからこれが出てきて本当に市役所に来たかと思ったワ。

倉吉市公式サイトより

ひなビタ♪婚姻届もあるみたいです。ひなビタ♪婚をしたい方は是非。自分は今のところ縁がないのでまたいつか…

また観光協会ではレンタサイクルを行っているのですがこれは!

子供チャリ成人男性
芸コマ

キャラのラッピングホイール! かわいい兎耳! これは 芽兎めう の愛車ならぬ愛チャリ、 もちゃちゃ (ひなビタ♪放送局 第十四回を参照)。

ちょっと気恥ずかしいけれど、これで次の目的地まで爆走するぜー!にこきゅっぴん!

今はもう乗れないみたい。 残念!皆さん萌えおこし巡礼は早いうちに!

聖地はいけるときに行かな!

もちゃちゃで移動!

風情ある町並み

チャリを漕いでいて目に入るのは倉吉のきれいな街並み。 白しっくいの壁と焼き杉板のコントラストが美しい蔵がつづきます。石州瓦を見ると中国地方に来たなあと感じる。おそらくひなビタ♪目的ではない観光客も沢山。道沿いには古い家屋をリノベーションしたおしゃれなカフェやワインショップなどがあり、 ひなびた感じは全くありません!これがひなビタ♪の萌えおこしの結果なのか…?

かわヨ

道中でマンホールも発見! こちらはクラウドファンディングで制作されたもののうちの一つ。 このデザインはここなつミライまつり♪ のメインビジュアルです。 日本の萌えチャイナ概念っておたく全員大好きだからありがたいねぇ。

くらよしフィギュアミュージアムに到着!

目的地は 円形劇場くらよしフィギュアミュージアム !
倉吉に本社があるグッドスマイルカンパニーのほか海洋堂ガイナックスの協力にて、オープンしたフィギュアに関する博物館!

ひなビタ♪10周年でまり花の銅像が設置されています。今では極めて現存数の少ない円形校舎を改修して使用しており、 中を見られるだけで建築オタク的には感動もの!

美しい

中央の螺旋階段を取り囲むように教室が並び、それぞれで小展示が行われている。

ワンダちゃん

海洋堂が関わっているのでワンダちゃんの展示も!大嶋優木ってさあマジで神。↓みんな大好き例のOTAKU(おれもったいなくて開封できね~っ)

砂のへや

ねんどろいど、 figma ほかリボルテックシリーズなどのメーカーを越境した、フィギュアに関する展示。 制作工程についても学ぶことができ、じっくり見ていると直ぐに時間がすぎて行ってしまうーっ。他にもお目当てがあるので小走りで。

ここにも ひなビタ♪ の特設コーナーが。設定資料や年表ほか 日向美ビタースイーツ♪ が作中使用する楽器類の展示もあります。

うめ~

こちらはキャラデザ担当の CUTEG先生 による書下ろしの色紙!あたりまえだけど上手い!おれは先生が担当されたグリモワというソシャゲを学生時代にやっていたので凄い馴染みのある絵柄だ。さっぱりストーリーを思い出せないけれど、ナビキャラが杉田智和だったことは覚えてる。思い出のメモリ〜♪(杉田智和)

円形劇場くらよしフィギュアミュージアム 通販サイト
円形劇場くらよしフィギュアミュージアムの公式通販サイトです。ひなビタ♪グッズや円形劇場オリジナルグッズなどコラボ企画グッズなど限定商品も!

ひなビタ♪ グッズはここで購入するのが吉!↑オンライン販売もあります!品ぞろえが一番多い。観光目的の旅行客や、子供連れも多く全員がひなビタ♪目当てというわけではなさそう。それがいいよなあ。

実食! CKP!

次の目的地に向かって移動。道中には丹下坦三設計の倉吉市役所本庁舎もあるので建築オタクはぜひ。

春日 咲子
MOKS(萌えおこしジュース⁉)

次なる ひなビタ♪ スポットは 喫茶店ダイアナ

ここはひなビタ♪ と倉吉市が現在のつながりを持つようになった発祥の地として重要なお店です。というのも作中のキャラ春日咲子は喫茶店で働いている設定なのですが、それの元ネタがこのダイアナなのではないかと感づいたオタクがお店に突撃。「ちくわパフェ下さい」と一声。

オタク部屋?


当時、店主は何のことだか全く理解できなかったようですがそこでひなビタ♪のことを知り、実際にちくわパフェを開発し展開しようと市に連絡。そこからTOMOSUKE氏に繋がって倉吉市とのコラボレーションが進行していったようです。なんかモデルの喫茶店は別にあったみたいだけれど。 バイタリティのあるオタクと店主マジでありがとう。

そのオタクに倣い自分も入店着席即ちくパ注文!
ちくわパフェは作品内に登場したイカれたスイーツ。曲が流行っていたとしても、本当にあると思わないよなあ普通。

見た目ヨシ!

おーいマジで刺さってんだけど!ちくわが!二本!
これはとうふちくわ。通常のちくわと違い、魚肉に加えて豆腐が入っており、焼くのではなく蒸し上げることで、柔らかな食感が特徴みたい。それがパフェとマッチ…して…い…うん美味しいっス。新次元のマリアージュ。

いわゆるコラボカフェのキャラクターイメージドリンクよりも自分はこういった原作再現メシの方が好きなので、店主には多大なるリスペクトを。ごちそうさまでした。CKP!ヒーヤ!!

ちくパ……食べてみたい……

宿

CKPを頂いたところで本日の宿へGO
今回泊まったのは石井旅館

なぜこの宿に決めたかと言うと、宿探しのためにSNSでパブサしているときに目についたこのツイートから。

なんなんだこの動画は。気取らずただ愛、愛がすごい。コンテンツが地元側から愛されているって本当にすごいことだから。それも自分の二回りも上の世代の方からっていうのも凄い。

松風荘旅館

倉吉では宿泊施設においてもひなビタ♪の影響域になっており、今回宿泊は臨めなかったが別の旅館ではパネルだらけのコラボ部屋などがある。

萌えキャラと一緒に寝るっておい…夢かい。他コンテンツでもあったりするサービスだが、常設で継続的に行なっているのが凄い。なんなんだこの街ーっ。

石井旅館に実際に泊まらせて頂いた際も、キャラに関する知識がどんどん飛び出し、オタク敗北。すごいぜ。夕飯を食し、近隣の三朝温泉へ。これは別の萌え理由があるんですけど、今回の流れからは逸れるので割愛。

※ご厚意で表にパネルを出していただけました。ありがとうございます。

いやァ〜めうチャンはかわいいねェ。いえ自分はね。ロリコンとかそういう趣味ではケッシテなくてデスね彼女の作中のワードセンスやそれと裏腹の真面目なところとかIOSYSの電波楽曲が好きでしてねェ下心ではなく表現者としてのリスペクトを…ゴチャゴチャ

ろりこん

二日目

2日目は倉吉を雑にぶらぶらと。

いたるところに ひなビタ♪ のパネルが。
その数約70個!恐ろしい数だ。生涯で出会う萌えパネルの数をゆうに超えてしまうのではないか…そのどれもが見える場所に飾っており、倉吉側からの確かなを感じた。(萌え巡礼をしているとパネルがバックヤードに行ってしまっていることがしばしばある) あのおしゃれなリノベカフェとかはどう思っているのだろう…

協力店では購入金額に応じて缶バッチの配布を行なっており、地域へ還元する仕組みもある。それ以外にも店舗側からオリジナルグッズを製作していたりとその展開は多岐にわたっている。

お昼過ぎには倉吉を離れ、滞在時間は約1日と短い間だったけれど、十二分に楽しめた。萌キャラがいなくても、いや萌キャラがいたからこそ!

入手したグッズ

そんなひなビタ♪ 、現在は謎解きコンテンツを展開している(なんで?)。倉吉とその以外でも地域とコラボレーションを展開している。名古屋の飯田橋(ダバシ)商店街ではクイズシートに合わせてラジオドラマを聞き散策。自分はこういったコンテンツ形態に初めて触れたけれども楽しめた。

はしゃぐオタク

↑レトロな文房具屋に萌キャラがいて最高。というか新キャラデザすごくない?良くない?かわいいねえ〜

さいご

本編ひなビタ♪の主なストーリー展開がテキストメインであったということもあり?いま物語の概要を完全に理解している人は少ないかなと思っているのですがどうなんですかね。ひなビタ♪というコンテンツはストーリー以外にも音ゲー、楽曲、倉吉巡礼、謎解きと多岐にわたった入り口が用意されどこからでも楽しめると思ってます。実際当時ほどの認知度はないけれどTOMOSUKE氏にももっと頑張ってほしい!

最近何故かyoutubeに動画(過去展開していたspwnというアプリ内でのライブ映像)も上がりました。みんなで見ようね。今って平成?

10年代に本編ストーリーが終結した(自然終了した)この令和の時代でも倉吉を中心にイベントが定期的に行われています。そのたびにファンが鳥取へ向かって小移動大移動。すごいことです。各イベントではアンケート結果を公開しておりファンと運営側でコンテンツを共創していく形態、この距離感や一体感にまで至っているのは萌えおこしとしてのひとつの完成形ではないでしょうか。

倉吉ひなビタ♪応援団 アンケート結果 内のレポート

このような萌えおこし案件はまだ幾つか日本に存在していますが、それらは18年以後Vtuberへバトンが渡りストーリー主体のものは少なくなってしまっています。萌えおこしはコンテンツの存続と地元側の理解、そして第一にファンが実際に巡礼し土地を感じ還元していくことが必要です。当時の萌えポスターはもう真っ白に日焼けしてしまっています。そこへ巡礼し享受し、歴史の伝承者になるのです。萌え大国日本はまだやれる!オタクよ!パソコンルームを飛び出して旅へ出よ!

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