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皆さんどうも!姓は萌研・名はアニメくん、藤吉なかのです。
冬真っ盛りの暴風とコミティアが、空気とオタクの財布をヒエッッヒエにして久しい……
今回はそんな冬真っ盛りだからこそ楽しめる、「冬」アニメの傑作について語りたいと思います!
そう、今回のテーマは言わずと知れた傑作……『けいおん!』第13話「冬の日!」!!

そもそもこの回は、おなじみの軽音部メンバーが差出人不明のラブレターをもらったり……
あるいは急に友人の飼い猫を世話することになっちゃったり、等々!
それぞれが日常から非日常(新たな未来)への1歩を踏み出す様子が描かれる、ちょっぴり風変わりなエピソード。
その「いつもとは違う」雰囲気は、脚本だけでなく画面からもヒシヒシと伝わってきます。
まずこの回、みんなが駄弁る部室のシーンからして、普段と一味違う”冬仕様”なんです!


どうでしょう?全体的に影が濃く逆光気味で……どことなく寒々しいと感じる人が多いのでは?
このようなうっすらと寂しい画面の色味からは、冬の「”しん”とした寒さ」が痛い程に伝わってきます。
そしてその「寒さ」は、単に気温だけに留まる話じゃないんですよね
新しい事へ挑んでも先行きが見えないモヤモヤ……
「出来る」と思っていたことが上手くいかない辛さ……
それぞれが”新たな1歩”を踏み出すと同時に感じている、人間にとって普遍的な不安。
それがこのアニメでは「冬の寒さ」という姿を借りて、画面に立ち現れているのです!

「冬の日!」は美しくも冷ややかな季節を活写した演出で、それらのマイナスな感情を描きます。
セリフに頼らず、画面だけでここまでの寂しさを描く……これぞアニメの神髄!
しかし当然ながら、ただ悲しい心情を描くだけでは終わらないのが『けいおん!』ですから!!
最後には当然、静かなカタルシスたっぷりのオチが待ち受けています!
それぞれ悩みを抱えた軽音部メンバーがひとり、またひとりと戻ってくるのは……

そう、いつものみんなが居る場所なんです。
「冬の日!」はラストにて、それぞれ”新たな1歩”を経た軽音部が再び全員集合!するのですが……
なんと、その際には画面がいつものウォームな「日常」の色へと戻っているんですよ!!

いや、もうこれはさ………………どう考えても泣きますって。
例えどんなことがあっても、軽音部のみんなには帰る場所があって……そこに帰れば温かい。
でも「冬の日!」は、決して「挑戦は怖いから安全なとこにいようね」なんて事は言いませんよ?
実際、本編で人生初のバイトに挑戦したむぎちゃんは失敗して泣いちゃったりもしたんですが……

それでも最後は前を向いて、「バイト」という体験をエンジョイしていましたから!
あくまでこのお話は、”新たな1歩”には相応の不安感がつきものであるという事実と……
その不安感はいずれ、必ず消えて無くなるという人生賛歌!
そんなかけがえのないメッセージを伝えてくれる優しいお話なんですよね。
人が生きていく限り、不安からは決して逃れられない。それは『けいおん!』のキャラたちだって同じ。

でも不安から逃れることが出来ないのと同じくらい当たり前の事実として、その「不安感」が一生続くなんてこともない。
そう、まるで「冬の寒さ」のように……ね。

連載初のしんみり回だったわね……およよ。
コメント
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